会社員として毎日頑張って仕事をしているのに、なかなか増えていかない給料。
それもそのはず、会社勤めのいわゆるサラリーマンの平均給与はここ30年で30万円ほど下がっているそうです。
趣味や自分のやりたい事に打ち込んでリア充と呼べる生活をおくるために、最低でもどのくらいの年収が必要なのでしょうか?
本記事では国の公的調査資料を基に、リア充に必要な年収についてわかりやすく解説していきます。
リア充と呼べる年収の金額
さて、早速結論からお伝えします。
「リア充」に必要な年収の金額は
400万円以上
です。
年収が400万円というと、そこまで高収入なイメージがあるわけではありませんが、人によって「それだけもらえれば満足」と感じるケースもあるでしょう。月収になおすと約33万円ほど。ただし年に2回のボーナスをもらっている会社員の方が多いはずなので、実際に毎月もらっている給料で見ると33万円より下がるのではないでしょうか。
厚生労働省の調査では、2020年の夏冬のボーナス平均額は38万円でしたので、年間だと76万円となります。年収の400万円からボーナスの支給額を除くと、純粋な給料の年間合計金額は324万円です。これを12で割ると27万円となり、月給27万円以上がリア充となるための一つの基準となります。
根拠は「国税庁 民間給与実態統計調査」
国民のお金や税金にまつわる管理を行っている国税庁が1年に1回実施している「民間給与実態統計調査」では、一般的な企業等に務める会社員の年間給与の実態を調査しています。
調査の目的について国税庁のサイトでは次のように説明されています。
民間の事業所における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的としている。
堅苦しく書かれていますが、要は「国民が給料をどのくらいもらっていて、毎年の税収見込み額を計算する」ために実施されているということなのです。
この調査結果を見る事であなたの給料が国民の中でどの辺の順位にいるのか知ることができます。
平均年収
最新の調査結果を調べてみると、日本の平均年収は445万円となっています。この数字は老若男女問わず「働いて会社から給料をもらっている人」の平均値をとった数字です。近年の大卒の初任給が平均22〜23万円であることを考えると、そこまで高い金額ではないでしょう。単純計算で会社員1年目の人の給料であれば
22万円×12ヶ月=264万円
上記に加えて夏冬で20万円ずつのボーナス支給
と仮定すれば、年収300万円は超えるわけです。4年間大学にちゃんと通って大卒の資格を得てそれなりの会社に入れば、年収400万円はすぐに超えられるはずです。むしろ1年目から400万円以上の年収になる人も多くいるでしょう。
大卒だけの平均給料だけで見ればもっと平均は高くなるでしょうが、本調査は日本の労働者全体を対象としたものです。残念ながら男性よりも女性の方が給料が低くなりやすい事実はあるし、非正規で働く方と正規社員との給料差も大きいのが実情です。
そういった様々な給与形態の平均値が「445万円」という数字に表れています。しかし平均給料と言うのはあくまでも平均値であり、実はあまり参考にならない数値なんです。
40代〜50代以上の管理職が多くなる世代では給料は平社員の頃と比べてぐんと高くなりますよね?大企業の課長や部長級の給料は1000万円を超えることもざらにあります。
それに役員ともなれば数千万〜1億以上の「給料」をもらっている人もいます。

もはやここまでくると「給料」なんてレベルじゃない
ちなみに日本で一番役員報酬が高いのがソフトバンク・グループのサイモン・シガース取締役という方だそうです。この方の昨年の役員報酬はなんと18億8200万円です。すごすぎ…。
取締役は社長としての責務もあるため、給料が高くなるのは当然です。ですがサイモンさん1人で何人分のサラリーマンの給料になるんでしょう。
少し話がそれましたが、超高給取りの社長だって会社員であることに違いはありません。よって超高額な給料をもらっている人たちが平均給料を押し上げているので、一般的な会社員がもらっている給料の実情と平均値には解離があるのです。
本当に見るべきは中央値
このような時に役に立つのが「中央値」という指標です。あまり聞いたことがないと言う方のために簡単に説明すると、数値やデータを小さい順に並べていきちょうど半分の数になったときの値、つまり中央の値のことを指します。
Aさん 300万円
Bさん 800万円
Cさん 400万円
上記のような3人がいたとします。
平均給料は(300+800+450)÷3=500万円となります。一方で中央値は上記の給料を低い順に並べた「300、400、800」の中央に来る時の値になるので400万円となります。
このように平均値と中央値では数値に大きく差がでることが多々あります。
さきほど最新の調査で会社員の平均年収は「445万円」とお伝えしましたが、中央値は「396万円」となっています。調査対象の5928万人の給料の中央値が396万円ということなので、半数の2964万人の年収は396万円以下となるわけです。つまり、年収が397万円以上の人は日本の労働者の中で上位50%に入れることになるわけです。
リア充になるのに必要な年収が400万円以上だと冒頭で述べたのは、年収の中央値が396万円という事実が根拠となっています。
お金だけが人生を左右するわけではない
ただこの記事でお伝えしたいのは、「お金を稼ぐことだけが全てではない」ということです。年収が400万円以下でも、毎日が楽しいと感じて生きていられるならそれだけであなたはリア充です。毎日長時間労働をして、上司に怒られながらも必死に業務をこなして高い給料をもらったとしてもそんな生活は果たして幸せといえるでしょうか?
仕事が大好きな人なら良いでしょうが、人間誰しも休息が必要ですし好きなことをできる時間も必要です。自分自身がやりたいことを実現できる給料がもらえて、休日の時間もしっかり楽しめる。そんな暮らしができるのであれば年収にこだわる必要はないでしょう。
ただ、心理学的に人間は自分自身の年収が高いことよりも、周囲の人の年収と比較して自分の年収が高いか低いか次第で感じる幸福度が変わるそうです。
年収が400万円でも周囲の人が300万円ばかりなら幸せだと感じるし、反対に周囲の人がみな500万円以上だと自分だけが低い年収となり幸せだと感じなくなるとのこと。
もしもあなたが今自分の年収が低いと悩んでいるのなら、周囲の人と比べすぎていないかを考えてみてくださいね。
収入を上げたいならまずは何からやるべき?
「いまの月収があと3万円増えればいいのに」
「3年以内に年収を100万円以上アップしたい」
そんな風に自分の収入を上げたいと考えている人は多いはず。手堅く収入を上げるにはどのような行動をとれば良いのでしょうか?
転職を検討する
あなたの会社が飛躍的に成長しているベンチャー企業、あるいは営業成績しだいで高額なインセンティブが支給されるような体育会系企業でもない限りは、平均年収の高い企業へ転職するのが手っ取り早く収入を上げる方法です。
同じ業界内での転職であれば、中堅から大手へ。
異なる業界への転職であれば、平均年収のより高い業界へ。
といった具合にです。実は働く業界によってある程度平均的な給与は決まっており、年収の低い業界でずっと頑張って仕事をしていても給与の上がり方は遅くなってしまいます。


上の表のように「金融」と「外食」の業界間には平均年収にして約100万円もの差があるわけです。しかもこの年収は男女の平均をとった数字ですが、男性の平均年収に着目すると金融業は「556万円」、外食業は「386万円」と年収差は170万円にも広がります。
人々の食を支える外食業で働く方々はなくてはならない存在ですが、働く立場の人の目線で考えてみると「頑張っても頑張っても年収が上がらない業界」なわけです。外食業界から金融業界へ転職しろとは言いませんが、例えば冷凍食品メーカーや飲食店のメニュー開発職へ転職するなどあなたの培ったスキルを生かせる別業種へとスライドして考えてみましょう。
このような考え方を「ずらし転職」として解説しているこちらの本は、転職に興味がある方におすすめです。



私も長時間残業に悩み、働き方を変えるために転職活動をしている時に読んで参考になりました。
本業と両立しながら転職活動するのはとても大変ですが、失敗しても今の会社をクビになるわけではありません。まずはどんな会社があるのか調べてみるだけでもいいと思いますよ!
副業を始める
転職よりも気軽に始められるのが副業です。近年は多くの企業で副業が解禁され、「本業+副業」で2つの収入の柱を持つ会社員が増加しています。中には「副業が軌道に乗ってきて本業収入を上回ったので、副業が本業になった」というケースも目にしますが、これはあくまでもレアケースです。
まずは月1万円の収入を得ることを目標にして、あなたが取り組みやすそうな副業を探してみましょう。初心者向けによくおすすめされる副業には以下のようなものがあります。
短時間アルバイト
ウーバーイーツや倉庫内の仕分け作業など、仕事終わりや休日のスキマ時間に好きな時間働けるのが短時間アルバイトです。スキマ時間のアルバイト情報に特化したアプリ「Timee」を使って様々な職種を探すこともでき、自分に合った時間・職種で探すことができます。
好きな時間に働けて辞める時の自由度も高くすぐにお金を得られる分、単純な労働時間は増えるため本業が忙しい人には不向きです。体力に自信がある人にはおすすめの副業です。
せどり
中古品買取ショップや家電量販店などを周り、ネット上の平均価格よりも大幅に安く販売されている商品を仕入れ、オークションサイトで売ることで差額を利益として得るのがせどりです。古くからある副業の一つであり、「物を安く買って高く売る」という商売の原則が身につきます。
かつては実際にお店を回って商品をさがすタイプのせどりが主流でしたが、最近では楽天ポイントせどりといって、「楽天でポイント率が高く設定されている商品を購入してフリマアプリやオークションサイトで売り、差額と楽天ポイントで稼ぐ」新しいタイプのせどりも登場しています。
フリマアプリで販売
家にある不用品をメルカリやラクマといったフリマアプリで売ってお金にした経験はありませんか?不用品、つまりあなたにとってはもう一円の価値もないものも、フリマアプリで出品してみると意外と値段がつくことが多いです。例えばお子さんがいる方で、もう着れなくなった子ども服がたくさんタンスに眠っているとします。あなたのお子さんには不要でもそのサイズを丁度探している親御さんは他にたくさんいるわけです。
どうせ捨てるにしても0円ですから、フリマアプリに出品して100円にでもなれば儲け物ですよね。フリマアプリに1度登録すれば、出品自体は5〜10分ほどでできるので忙しい方にもおすすめです。
記事制作
ネット上のメディア媒体やブログ、商品販売サイトなどの記事制作をしてお金を稼ぐ副業もあります。企業やサイト運営者によって依頼される記事に合わせて必要な情報を集め、記事を執筆しないといけないためパソコンを使った情報収集やタイピングが得意な人に向いています。
またパソコン1台あれば仕事ができてしまうので、肉体労働が必要なバイトと比べると時間に融通が効きやすく始めやすいバイトと言えるでしょう。このようなパソコンを使ったスキルでのお仕事は、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスに登録すればすぐに探すことができます。
アフィリエイト
自身で運営するブログやWebサイト、SNSなどに広告を掲載し、広告収入を得る仕組みのことをアフィリエイトと呼びます。インフルエンサーと呼ばれる人がインスタグラムでおすすめ商品などを紹介しているのはほとんどアフィリエイトです。ハッシュタグに「#PR」と書いてあったり、YouTubeの再生時に「プロモーションを含みます」などと表示されたりしているのをみたことがありませんか?これらの表示はアフィリエイトとして商品が購入されると、その人に売り上げの一部が支払われることを示しています。
他にも広告がクリックされるだけで報酬が発生するタイプのアフィリエイトもあります。
うまく自身のサイトを育てることができれば、あなたの代わりにサイトが働くことで不労所得を得ることができるという大きなメリットもあり、近年人気が高まっている副業の一つです。
動画配信
動画配信といえばもうYouTube一択ですね。YouTube上に動画を登録し、広告が掲載されたあなたの動画が再生されることで広告収入を得る副業です。ヒカキンやヒカル、東海オンエアといった人気YouTuberたちは何百万回も再生されている動画がいくつもチャンネル上に存在し、莫大な広告収益を上げているわけです。
あなたが持っているスキルや情報を活かして動画配信することで、専門性の高い動画を作ることも可能となります。一度制作した動画は消されない限り広告収入を生み出してくれるため、あなたの財産にもなり得ます。ただし広告が配信されるまでには登録者数や再生時間の条件があり、無収入でも根気強く動画配信を継続できる忍耐力も求められます。
まとめ
リア充になるために必要な年収は「400万円以上」であることをお伝えしました。年収が高いにこしたことはありませんが、ただただ収入を追い求めてがむしゃらに働き体を壊しては元も子もありません。あなた自身が自分をリア充だと思うためには、収入以外にも好きなことに取り組める時間や周囲の人の生活レベルを気にしないことも必要です。
無理のない範囲での転職や副業も視野に入れつつ、楽しく生きることを目標にリア充を目指していきましょうね。